2013年5月25日土曜日

エアーリフトポンプを使った上部ろ過装置(ろ過装置1号)の自作

エアーリフトポンプが使いものになるとわかったので、エアーリフトポンプを使って上部設置タイプのろ過装置を自作してみました。

初心者の方でも安価で簡単に作製できるろ過装置です。
小さい水槽で投げ込み式ろ過装置を使っている場合のステップアップに丁度いいと思います。
  • 安価に作るために、材料はできるだけ百円ショップで揃えました。
  • 簡単にということで、接着剤を使いません。
  • 水漏れの心配を減らすため、上部設置型とします。

今回、自作の対象とした水槽は、金魚を二匹飼っている小型の水槽(30×20×20cm)です。
小さい水槽にマッチした上部設置型のろ過装置の選択肢は殆ど無いので自作は良い解決策だと思います。


完成図(概略)

ろ過装置の概略図
自作ろ過装置の全体像 自作ろ過装置の断面カット
斜め上から見たろ過装置の全体像 ろ過装置の断面カット

作業上の注意や失敗(教訓)など

  • 不織布たわしは、研磨剤入りや除菌効果のあるものは避けてください。
  • 水槽とプラケースの位置関係を曖昧にしたまま作業を開始したため、穴開けが終わった後で揚水管と水槽が干渉することに気づきました。新たにケースを買うのも面倒だったので、プラ板を載せて使うことにしました。今のところ大きな水漏れはありませんが、ちょっと心配なのでシーリング材を使うかも知れません。
  • 穴を開けるのはキリを使った方がいいです。ドリルは止めた方が無難です。溶けたプラスチックが刃の溝で固まってえらい目にあいましたから。
  • 穴を開ける場所をマークするのに千枚通しを使ったのですが、力を入れ過ぎてケースの底にヒビを入れてしまいました。
  • 砂利の厚みを忘れていて、揚水管の端が砂利に埋まってしまいました。
  • 揚水管の上端がどれくらいの高さになるか検討せずに作製したため、揚水管の上端がフタと干渉してしまいました。
  • 当初、物理ろ過ユニットのオーバーフロー対策を忘れていました。
  • 穴の径が小さい(2mm)と上手くシャワーになりません。
  • サイフォン内の排水管上端を斜めにカットしたら、給排水がバランスして垂れ流し状態になってしまいました。
  • 目詰りを防ぐため、物理ろ過用のフィルターはシャワー穴の前(上?)が良いです。
  • 当初、サイフォンの水が上手く切れずにいつまでもゴボゴボいってました。水面の波打ちが原因だと考えて、排水口の手前に波打ちを防ぐべく不織布(換気扇のフィルター)を置いたところ効果がありました。ただ、不織布が汚れた場合に排水に問題が生じるかも知れないので、代案を検討中です。
  • 生物ろ過ユニットの底に隙間を設けたのは、汚泥が溜まるかどうかの確認のためなのですが、隙間を作らなければ、ゴボゴボならなかったかも知れません。
  • 水槽のフチに合わせてプラケース底面の足部に切り欠きを入れましたが、切り欠きの深さを変えて全体が斜めになるようにした方が安心が増すかなと思いました。
  • 物理フィルターに不織布たわしを使いましたが、換気扇のフィルター+どんとキャットでも良かったかなと思っています。
  • 揚水管等を留めるための軟質塩ビ管は、水の漏れる隙間ができないようにできるだけ水平に切る必要があります。この点、ちょっと練習が必要かも知れません。
  • pvc管を曲げるときは、アイロンで熱すると上手くいきます。設定温度を中+スチームで転がしながら熱してください。ゴム紐を通しておくのを忘れずに。
  • 揚水管から水が吹き上がるので、ペットボトルを切って上に被せるものを置きました。

作業風景

自作ろ過装置に使ったプラケース
プラケースです。
水槽より少し長めを選びました。

自作ろ過装置の物理ろ過ユニット穴あけ
底にシャワー穴を開けているところです。
千枚通しでマークしてたら、ヒビを入れてしまったので、その後はリューターでマーキングしました。
リューターで穴を開けてたら、溶けたプラスチックが刃にくっついてえらい目にあったので、その後はキリで開けました。
マークした全てに穴を開けたわけではありません。

自作ろ過装置の物理ろ過ユニット穴あけ
カッターナイフの先でバリ取り。
刃を使うと、尖すぎてやりづらいです。

自作ろ過装置の物理ろ過ユニット穴あけミス
痛恨のミスです。
穴の位置がまずかったので開け直しました。

自作ろ過装置の物理ろ過ユニット穴あけミスを塩ビ板でリカバリー
余計な穴があるので、プラ板を挟んで誤魔化すことにしました。
間違えて開けた穴はそのままです。

こんな感じで挟み込んだだけです。
大きな水漏れは生じていません。
設置したときに全体を揚水管側が少し高くなるようにするとベターです。

自作ろ過装置の物理ろ過ユニット穴あけミスのリカバリーその2
揚水された水が物理フィルターの上から流れ込むように、トレーみたいなものを揚水管の口の下に敷くことにしました。
材料はその辺りにあったパッケージです。
自作ろ過装置の生物ろ過ユニットの穴あけ図
物理ろ過ユニットで痛い目にあったので、生物ろ過ユニット側の底はキチンと作図することにしました。
JW_CADを使いました。

自作ろ過装置の生物ろ過ユニットの穴開けケガキ
生物ろ過ユニット側の底です。
千枚通しでケガいて、キリで穴を開けていきます。
その後は、糸鋸で切ってヤスリで整えます。
リューターを使う場合は、木工用の方が良かったです。
自作ろ過装置の生物ろ過ユニットの底上げ用部品 加工前
ろ材を浮かせるのに使った商品。

自作ろ過装置の生物ろ過ユニットの底上げ用部品 加工後
長い方の足は、ニッパーで切り落としました。
自作ろ過装置の生物ろ過ユニットの内部仕切りに使ったゴム板
内部仕切り用のゴム板です。
これから切り出して使いました。
発泡スチロールでも良かったかも知れません。
発泡スチロールでもできなくはありませんでしたが、底との隙間が真ん中あたりにできやすくてちょっと大変でした。
自作ろ過装置の生物ろ過ユニットの仮組み
生物ろ過ユニットの仮組みです。
自作ろ過装置の生物ろ過ユニットのサイフォン管のキャップ
サイフォンのキャップです。
その辺にあったスプレーのキャップを使いました。

自作ろ過装置の生物ろ過ユニットのサイフォン管
百均で買ったペットボトル用の給水キャップです。
長い注ぎ口のところを切断して使いました。
色付きパイプが欲しかったので使いましたが、アクリル管で問題ありません。


自作ろ過装置の生物ろ過ユニットの組立図
生物ろ過ユニットにサイフォン管をつけたところです。

追記)
ウェット&ドライの有効性について疑問を感じたので、サイフォン管は外しました。

自作ろ過装置の揚水管にエアー吹出口を取り付ける部品
エアー吹出口の部分です。
2cmくらいに切った塩ビホースに厚紙を丸めて突っ込んで、ポンチで穴開け。

自作ろ過装置のエアー吹出口の曲げ加工準備
塩ビ管にゴムひもを通したところです。
これをスチームアイロンでコロコロ熱して曲げます。

自作ろ過装置の揚水管の取水部分
エアー吹出口を仮組みしたところです。
吹出口は、曲げた後にカッターナイフで斜めに削ります。
曲げる前にカットすると曲げた方向とズレることがあります。

追記)
スケルトン仕様に変更しました。

自作ろ過装置の全体横図
全体を組み上げたところです。
上段の物理ろ過ユニットは、見栄えを良くしようと思って上半分を切って低くしています。

追記)
低くしたのは、失敗でした。
後日、切っていないものに変更しています。

自作ろ過装置のサイフォン前に不織布を置いた図。
サイフォンが排水時にゴボゴボいうので、水面が落ち着くようにリングろ材1個と不織布を置いてみました。
結果、ゴボゴボはなくなりました。
自作ろ過装置の揚水管からの吹き上げ対策にフタ
揚水管からの水が飛び散るので、ペットボトルを切って上に置いて水はね防止の内蓋としました。
水はね防止の内蓋は、後から別のものに変更しています。見栄え良くしたかったからです。

水槽の掃除もしたので、水草などがフィルタリングされています。



使った材料(金額がないのは百円)

  • プラケース(2個) 222×75×45
  • 不織布たわし ソフトタイプ 9×14.3×0.4cm 12枚入り
  • どんとキャット(駆除ネット) 49×14.2×2.7cm
  • プラ板 300×200×1.2
  • エアチューブ GEX ソフトチューブ(GX-72) 5×4×4.5m 399円
  • 二又分岐 ニッソー AQ-01 250円
  • ろ過材(生物ろ過用) Zicra 900ml 2,310円
  • アクリル管 10×7 350円
  • 軟質PVC管(透明ホース) 13×9 280円/m
  • PVC管 5×3 170円
  • 発泡ゴム or 発泡スチロール 60×100×15くらい
  • スプレーのキャップ
  • そこら辺にあったパッケージ
  • ペットボトル(水はね防止用)
  • クリアフォルダ(水はね防止用)
使った工具
  • はさみ
  • カッターナイフ
  • キリ
  • ヤスリ(丸、平)
  • ポンチ(透明ホースに穴を開ける)
  • プラスチックハンマー
  • 糸のこ(アクリル管の切断、大きな開口用)
  • ゴムひも(2~3mm径、15cmくらい。PVC管を曲げるときに潰れないよう中に通しておく)
  • 油性ペン
  • テンプレート(揚水管を通す穴を描くために使う)
  • 千枚通し
  • ニッパー

使った材料・工具(なくてもいいけどあると便利なモノ)

  • ボルト&ナット 4mm(キリで開く穴の径)、ボルト1つにナット2つ。水槽のフタの取っ手にした。
  • ゴムひも(水槽のフタの取っ手にした)
  • リーマー(4~25mm。穴開けには手放せない。)
  • アクリル用のカッター(直線には使い易い)
  • カッターナイフの刃。短く折って刃を潰し、穴のバリ取りに使う。
  • リューター(またはグラインダー&フレキシブルシャフト)とビット(木工用の円筒型ヤスリが使い易かった)。リーマーとヤスリ、キリがあれば、無くても問題なし。

作製後記)

  1. 当初はアクリル管を使わずに、透明塩ビ管を揚水管に使う予定でした。ところが、細い塩ビ管の場合は、エアーで浮いてくる(曲がる)のを防止するために錘が必要になりそうだったので、今回は取りやめました。
  2. 材料費は、ろ材を除いて2,000円くらいでした。
  3. これに交通費と時間が掛かっていることを考えると……、コスト的にはどうなんでしょうね。
  4. 私は、楽しかったし、理解も深まったので満足しています。

追記)

  • 肝心のろ過能力ですが、それほど大きな期待は禁物です。
    それは、エアーリフトポンプで得られる流量が、投げ込み式で確保されている流量を大きく超えるとは考えられないためです。
  • 投げ込み式ろ過装置とのろ過能力の差は、ろ材の差に左右される部分が大きいのではないでしょうか。

追記2)

  • 今回の自作ろ過装置は、水を吐き終わってから次に吐き終わるまで(1サイクル)は約30秒でした。
    生物ろ過ユニットの水が貯まる部分の容量は約250ccだったので、ろ材が充填されていることを考慮(容積率50%と仮定)すると、1分間に250cc(1時間に15リットル)くらいの水が流れていることになります。
    予備実験では、もう少し水量が取れていた(400cc/分くらいだった)んですけどね。
    水槽には約10リットルの水が入っていますから、1時間に1回転半ということになります。
    ちょっと少ないですかね。
  • あちこちで、理想は1時間に6~10回転と書いてあるのを見かけますけど、投げ込み式のフィルター(ろ過装置)の処理水量を考えると、この程度でも大丈夫なのではないかと思います。
  • 今のエアーリフトポンプの揚水力ではどうしようもないという話でもあります……。

追記3)

  • 本作は、揚水管を上のトレーで固定していますが、下のトレーで固定した方が良かったかも知れません。
    下のトレーを覗いたり、上のトレーを動かしたりがやりくいです。



0 件のコメント :

コメントを投稿