2013年9月17日火曜日

ろ材の必要量の目安について(2) (ろ過装置(システム)に関する私考 その9-2)


ちょっと目先を変えて、前回の仮定における各ろ材について1L(1×10^-3m^3)当たりの表面積(=ろ材の占有する体積×空間充填率×比表面積)を計算してみました。



1.球状ろ材(直径5mm)
 1×10^-3×0.740×3/(2.5×10^-3)=0.888m^2
 直径2mmのとき、2.22m^2

2.リングろ材(半径5mm)
 1×10^-3×0.785×5/(5×10^-3)=0.785m^2

3.平板(5mmピッチ)
 1×10^-3×1.00×2/(5×10^-3)=0.4m^2

4.ウールマット(繊維半径10μm、繊維の中心間距離200μm)
 1×10^-3×3.626×(10×10^-6)^2/(200×10^-6)^2×2/(10×10^-6)=1.813m^2

5.ストロー(直径5mm)を使ったハニカム構造
 1×10^-3×1.00×2.206/(2.5×10^-3)=0.883m^2



実際はどうなのだろうと思って、ネット上でろ材の表面積について記載のある部分を拾ってみました。

  • エーハイムメック(リングろ材) 3.603m^2/L
  • サブストラットプロ レギュラー 2.46cm^2/個 1,940個/L 0.477m^2/L
  • 他社製リングろ材 15.94cm^2/個 176個/L 0.281m^2/L
  • サブストラットプロ スモール 3~6mm 490m^2/L
  • サブストラットプロ レギュラー 6~11mm 450m^2/L
  • サブストラットプロ ラージ 14~20mm 350m^2/L
  • ジクラ フィッシュダンス 外径12mm×内径5mm×横幅10mm 600m^2/L
  • セラ シポラックス 0.3m^2/L ろ過処理有効表面積270m^2/L
  • パワーハウス ハードタイプLサイズ (15mm×15mm) 微生物定着有効面積400m2/L
  • パワーハウス ソフトタイプSサイズ (6mm×7mm) 微生物定着有効面積1,620m2/L



はい、桁からして違いますね。^^;
唯一、エーハイムのサブストラットプロレギュラーで計算結果と近い値の記載がありましたが、同一資料の別箇所で異なる値となっていたので何とも……。

ろ材の表面に細かい孔をたくさん開ければ、確かにもっと表面積を増やせるでしょう。
しかしながら、バクテリアをトラップする目的以外ではあまり実効性がない(孔を小さくすると、生物膜ですぐ目詰まりするし、バクテリアより小さな孔は意味がない)ような気がします。

ろ材の凹凸の大きさと生物膜の関係
こんな感じです。
好気的なエリアは表面から200μm程度だという報告を見たことがあります。
そうすると、凹凸が小さい場合は、表面積が増えても好気的なエリアはそれほど増えません。

ろ材の凹凸と表面積の関係
ちなみに、大きめの凹み(半球と仮定しています)だけで球の表面積を稼ぐとこんな感じです。
半球面の面積は割断面の2倍なので、図のように二段に抉った場合、凹凸面(赤色)の表面積は元(青色)の表面積の4倍になります。

でも、この考え方だと二桁倍は無理だと思います……。

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